東日本大震災から9年を迎えて
更新日:2021年7月15日
2011年3月11日に発生した東日本大震災から9年の歳月が経過します。ここに、あらためて犠牲になられた多くの方々にお悔やみを申し上げますとともに、未だ不自由な生活を強いられている方々に心よりお見舞い申し上げます。
さて、塩釜港湾・空港整備事務所では、仙台塩釜港(仙台港区、塩釜港区、石巻港区)と仙台空港の復旧事業を2013年度迄に完了させ、引き続き復興事業等に取り組んでいるところです。
仙台港区では、東日本大震災によってコンテナ取扱貨物量が一時落ち込みましたが、復旧・復興事業の進展、東北経済の復調とともにコンテナ取扱貨物量はV字回復を遂げ、2019年には、5年連続で過去最高を更新しております。こうしたコンテナ取扱貨物量や入港隻数の増加に対応するため、向洋地区高砂コンテナターミナルのふ頭再編改良事業を進めており、今後、東北随一のコンテナターミナルの機能拡充が図られます。
塩釜港区では、老朽化した貞山1号岸壁の改良事業を2020年度の完成に向けて着実に整備を進めております。
また、塩釜港区湾奥部では、宮城県が北浜緑地の整備を進めており、対岸に位置する「みなとオアシス・マリンゲート塩釜」との有機的な連携等により、塩釜港区の新たな賑わい創出が期待されます。
一方、二酸化炭素放出量の増大による地球温暖化が懸念される中、再生可能エネルギーの必要性が高まっておりますが、石巻港区では、このような動きに対応し、2018年より雲雀野地区においてバイオマス等を燃料とする火力発電所が立地しております。今後、石巻港区の近隣ではさらにバイオマス火力発電所の立地が見込まれており、環境に優しいエネルギー供給を支える港湾としての石巻港区の重要性が高まる中、当事務所では船舶の安全な航行や安定した荷役を確保するため、雲雀野地区南防波堤の整備を進めております。
また、昨今は国管理空港としては初めての民間による運営がなされている仙台空港は、2016年の民営化開始以来、その旅客者数は一貫して増加を続けており、2019年10月にはバンコク線が5年ぶりに再開される等、東北の空の玄関口としての更なる発展が期待されます。仙台空港が災害発生時にもこのような役割を維持し、また、住民への安心・安全を確保する緊急物資輸送拠点としての機能を果たすために、滑走路の耐震対策等の事業を進めております。
塩釜港湾・空港整備事務所では、引き続き仙台塩釜港及び仙台空港の整備や振興活動を通じて、人と物の流れを活発化させ、被災地域の復興、東北全体の飛躍につながるよう取り組んでまいりますので、今後とも皆様のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和2年3月10日
東北地方整備局 塩釜港湾・空港整備事務所長 谷川 晴一
仙台塩釜港 総取扱貨物量の推移
仙台港区 コンテナ取扱貨物量の推移
仙台空港 旅客数の推移
現在の仙台塩釜港・仙台空港
仙台港区(向洋地区)
塩釜港区(貞山地区)
石巻港区(雲雀野地区南防波堤)
仙台空港