東日本大震災から8年を迎えるにあたり
更新日:2021年3月22日
小名浜港湾事務所長 尾﨑精一
本年3月11日で東日本大震災の発生から8年が経過します。
この日を迎えるにあたり、お亡くなりになられた方々に改めて哀悼の意を表します。また、ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に対し心からお見舞いを申し上げます。
東北地方整備局 小名浜港湾事務所では、福島県はもとより、東北の復旧・復興に資するため、重要港湾の小名浜港及び相馬港における復旧・復興関連事業に全力で取り組んで参りました。
東日本大震災からの復旧に関する取組みについて
小名浜港及び相馬港では、ほぼ全ての岸壁が倒壊・沈下、また、相馬港では防波堤の9割以上のケーソン(土台)が転倒するなどの甚大な被害が生じ、港湾機能が一時停止しました。
その後、港湾利用企業など関係者の皆様と協議しながら復旧工事を進め、2018年3月の相馬港沖防波堤復旧事業完了をもって、小名浜、相馬両港全ての災害復旧事業が完了しました。
復興に関する取組みについて
東日本大震災では、港湾機能が一時停止したことにより事業活動や市民生活に著しい影響が生じ、改めてその役割や重要性が認識されました。
震災の経験を風化させず、災害に強い港づくりを進めるため、2016年3月には小名浜港、相馬港において関係者が連携し、港湾の事業継続計画(港湾BCP)を策定しました。港湾BCPについては、策定のみならず、継続的に改善・レベルアップしていくことが大切です。訓練の実施などを通じて、関係者と「災害に強い港づくり」の共通意識の醸成をはかりながら、災害対応力の向上を進めて参ります。
小名浜港
震災直後の2011年5月に国際バルク戦略港湾(石炭)に選定された小名浜港においては、バルク戦略港としての機能を最大限に発揮すべく、石炭を取り扱う公共岸壁として国内最大規模となる水深18mの耐震強化岸壁を中心とした「東港地区国際物流ターミナル整備事業」を進めています。
また、2017年3月に完成した東港地区(人工島)への連絡橋「小名浜マリンブリッジ」には、これまで延べ3万人を超える方々が訪れており、復興のシンボルとして地域に親しまれています。
相馬港
相馬港では、民間事業者と連携し建設した液化天然ガス(LNG)基地が2018年3月より操業を開始し、隣接地には、2020年の操業開始を目指しLNG火力発電所の整備が進められています。
また、相馬福島道路をはじめとする道路網の整備も進んでおり、アクセス性や利便性の向上への期待から企業立地が進んでいるほか、2018年夏には8年ぶりに原釜尾浜海水浴場が再開されるなど、港に人の賑わいが戻りつつあります。
復旧・復興した港のポテンシャルを最大限発揮し、地域経済の発展に貢献できるよう、引き続き地域の皆様とともに取り組んで参りますので、今後とも、当事務所が進める事業に関し、ご理解・ご協力を賜りますようお願いいたします。