工事記録館 釜石港
更新日:2020年10月6日
釜石港湾口防波堤は、昭和53年から約30年の期間をかけて整備された、大規模な防波堤です。
東日本大震災により、湾口防波堤の一部は倒壊し、多くは大きく傾きながらも最後までマウンド上にとどまり、津波を抑え続けました。
湾口防波堤の災害復旧は、南堤のおよそ半分にあたる370メートル、北堤の870メートル、開口部300メートルの区間が対象となり、大規模な工事となりましたが、平成30年3月31日に復旧工事が完了しました。
転倒した防波堤(ケーソン)の撤去とマウンドの造成
転倒したケーソンは重すぎてクレーンで持ちあげることができないため、工事の妨げになるものは撤去することにしました。
(ケーソン:フランス語で四角い箱。ここでは鉄筋コンクリート製の防波堤本体となる構造物。)
釜石港(泉作業基地)でのケーソン製作
FD(フローティングドック)と呼ばれる作業船と海上打ち継ぎ場で、高さ約20メートルもあるケーソンが製作されています。
県外で製作したハイブリッドケーソンの釜石港入港
資機材不足などに対応するために、ハイブリッドケーソンを県外(千葉、名古屋、津)で製作し運搬しました。(ハイブリッドケーソン:鋼殻とコンクリートで構成されたケーソン)
ケーソン据付(すえつけ)
コンクリートでできた巨大な構造物であるケーソンを海上に浮かせて設置位置まで運びます。
注水をして設置した後に、石材を詰めて、コンクリートでふたをします。作業は海上の波が穏やかな日にしかできません。
航路下の津波対策
開口部には、船の航行に影響がない水深(天端水深-19メートル)に潜堤(せんてい)として逆T型ブロックを設置しています。
航路となる部分ですので、工事中は北側(北堤となる部分)に仮航路を設けました。(天端:構造物の上の面)
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